SPECAL PROGRAM の数々・・
「神戸ジャズストリートに参加したいが、どうしたらいいか」と言う声が内外から多く届けられますが、これらに答えるには、やはりCDなり、テープなりを聴かせてもらって判断するしかありません。出来れば実際にナマの演奏で判断するのが一番です。そのため毎年5月に、オランダのブレダ・ジャズフェスティバルに出かけていきます。そこで世界から集まるジャズミュージシャン、ジャズバンドの演奏をナマで聴いて、直接話し合って人柄にも触れた上で、神戸に最もふさわしい人を招いているのです。今年もどうぞご期待ください。もちろん、国内のジャズメン、ジャズグループも、それぞれ今年のスペシャル・テーマの下にプログラムを組み立てて盛り上がることでしょう。
では全体を見渡してこれぞと思うプログラムをご紹介しましょう。
今のアメリカでは、そして日本にもないもの、それはシドニー・ベッシエが残した豊富なジャズの遺産です。今年また2年ぶりにオランダからやってくる<エーセス・オブ・シンコペーション>が、このベッシェの遺産を私たちに伝えてくれる貴重な存在です。そして5月にオランダの<ブレダ・ジャズ・フェスティバル>に出演し、おまけにエイセスのロバート・ヴィーンからベッシェの愛用していたのと同じ型のソプラノ・サックス(今や製造元がつぶれて滅多に手に入らない貴重なもの)を譲り受けてすっかり自信をつけた北中たけおと野良青年団も、見違えるばかりのベッシェのジャズを演奏してくれるでしょう。ブレダ以来の息の合った合同演奏もあるかも・・。
今年の海外からのニュー・フェイスは二人。女性バンジョー奏者、兼ヴォーカルと、そして、「神戸ブレダジャズ友好賞(神戸ジャズストリート賞)」の受賞者が・・。
バンジョー奏者のシンシア・セイヤーズは飛び切りの美人で、歌も素敵。おまけにレパートリーはジャズから懐かしいポップスまで。そしてもう一人の新人はクラリネットのアルフレド・フェラリオ。イタリア人には珍しいはにかみやですが、クラリネットの腕はなかなか。そこで彼と日本のクラリネット奏者でバトルのプログラムはどうでしょう。迎えるこちらには北村英治、花岡詠二、鈴木直樹と錚々たる顔ぶれが・・・。
今年もドイツから<エコーズ・オブ・スイング>の4人組がやって来ます。しかもみんな若くてカッコイイもんだから・・・。
去年、神戸ジャズストリートの二日目。この<エコーズ・オブ・スイング>が会場から会場へ移動する先々に女性の追っかけファンがついて回り、遂にラストステージの客席には男性の姿は殆どなかったとか・・。こんなことは初めてです。今年もきっと同じことが起こりそう。
<神戸ジャズストリート>が世界に誇れるものは、各会場のピアノが優れていること。しかもその多くがグランドピアノです。世界からやってくる名手たちがみんな「神戸はいい!」と喜んで名演奏を披露してくれるわけです。特に今年は昨年のジャズストリート賞受賞者として来神したとたん、女性ファンのアイドルとなったイタリアのパオロ・アルデリッギー、ドイツの<エコーズ・オブ・スイング>のピアニストで、最近アメリカのディック・ハイマンとデュエット・アルバムを出したベルンド・ロッツキー・・・。彼らの演奏は絶対聞き逃さないで下さい。国内組では御大の秋満義孝がパーカッションと組んで華麗なジャズを展開する予定ですし、大塚善章、祖田修、山本琢、小川理子など、もう良くご存知ですね。
この他ここではご紹介できませんが関西のプロのグループや歌手も多才な顔ぶれが揃っています。ノン・プロではデューク・エリントンやカウント・ベイシーのビッグ・バンドがワクワクするエキサイティングなサウンドを聴かせてくれるでしょう。
そして一日の終わりには、日本にこのグループありと知られる<ニュー・オーリンズ・ラスカルズ>が夕暮れの教会で演奏するセイクレッド・ソングの数々・・彼らと共に「夕べの祈り」を捧げようと集まる善男善女で教会は毎年溢れかえるのです。 |