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ストリートへ行こう(末廣光夫のジャズエッセイ)


 
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ストリートへ行こう 末廣光夫のジャズエッセイ
2009/11/9更新

 

 

ジャズエッセイ

<ブレダ・ジャズ・フェスティバル>報告

2007/07/30

 この五月、いつものように、オランダの<ブレダ・ジャズ・フェスティバル>へ出かけた。今年出演依頼された日本のミュージシャンは、常連の花岡詠二、小林真人のみというのは少々淋しかったが、アメリカの大物ミュージシャンを呼ぶのにドルをゴッソリ使ったと言う向こうの事情もわかるから、文句は言えない。
同行したのは今年のジャズ大使、小林明(さやか)さん。現地で関西からのサポーターが合計7人合流し、また祭りの間に、ブラジルからミラノへ来ていた古い友人、ハートウオーマーズ生みの親である神戸出身の右近雅夫氏をブレダまで誘い出して再会を果たすことも出来たので、最終的にはなかなか盛り上がりのあるツアーとなった。

 アメリカの大物と言うのは、ウオーレン・バッシェをはじめ、ジョン・オールレッド、ハリー・アレン達、それに大物とは言えないがオランダに住み着いてしまったスティーブ・ヨーカムも加えれば、最近には珍しい数のアメリカ勢で、オランダのジャズ・ファンが熱狂するのも無理はない。しかし本音を言えば、久しぶりに会うウオーレン・バッシェなどは予想以上に老け込んで、演奏もさすがに手馴れてはいたが、新鮮な感動は要求するこちらが無理だと思われた。だがファンの存在はありがたい。彼等の熱気はそのままステージに伝わり、御老体ウオーレンさえも巻き込んで、普段以上の迫力ある演奏を聞かせていた。

 本当に元気があったのは、ダウン・アンダーのオーストラリアから、草原の香りをそのまま持ってきたようなディキシーランド・バンド<シンコペイターズ>で、とにかく音がデカイ!「これをそのまま神戸に持ち帰ってアマチュアの連中の目覚ましに使いたい!」というのが率直な感想。「ヨシ、是非近いうちに神戸に来てもらおう。」と心に決めた。

 昨年はグンヒルド・カーリングの快演(怪演?)の蔭で印象が薄かったドイツのトマス・レティエンヌも、あらためて聴くとなかなかに滋味のあるアルバートのクラリネットである。聞けばニュー・オーリンズに暫く滞在していたとか。大変マナーの良い紳士で、彼も是非神戸でニュー・オーリンズのバンドと共演させてみたくなる。とにかく、毎年ブレダを訪れるたび、日本には名前が知られていなくとも、それぞれに個性的でこちらの心に響く演奏を聴かせるミュージシャンに出会えるのが嬉しい。そういう出会いを楽しむうちにいつの間にか14年!♪月日のたつのも夢のうち・・・♪である。
 
  もう一人、大事な人がいた。
「末廣さんは美人に弱いんだから・・」と言われるけれど、彼女はタダの美女ではない!小柄の細腕で、トランペットをバリバリ吹き鳴らし、こちらが口あんぐり状態のときに、今度は歌もうたう。カナダから来ていたブリア・スコンベルグには、まさに一目惚れしてしまった。
カナダでは、結婚後オーストラリアから移住しているサイモン・ストリブリングと親しいらしいが、神戸のことはあまり情報がなかったようだ。だからこちらが彼女のステージの追っかけをやっても、まさかジャズストリート賞の候補に上がっているとは想像していなかったようで、フェスティバルの最終日のバンドに参加していたところへ、突然「受賞者は、ブリア・スコンベルグ!」と自分の名前を呼ばれて顔が真っ赤になり、ステージに上がったときには、涙を浮かべていた。この純情さ!良いなあ!
  しかし、残念なことには、彼女にはいつも小粋にハンチングなど頭にのせた若いフランス野郎が付きっ切りで、受賞後の記念撮影の合間にも「お祝いのハグが未だなんです。」と並み居るカメラマンの前で2人だけの感激に浸っていた。
目下のヒソカな悩みは、あのカレシが神戸までついて来やしないか、ということだが、いや、彼女が素晴らしい演奏を聞かせるためとあらば、主催者としては涙を呑まざるを得ないのだろう。
とにかく若きカナダの美女、ブリア・スコンベルグは今年の神戸ジャズストリートを華やかに彩ることだろう。こう御期待!もっと詳しく!というなら、こちらからどうぞ。
http://www.mightyjazz.com/gpage2.html

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